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2006年11月4〜5日 観戦記

第1回 身体障害者野球世界大会(スカイマークスタジアム)

11月4日(土)と5日(日)の2日間、神戸のスカイマークスタジアムにて
第1回身体障害者野球世界大会が開催されていたので、観戦して参りました。
詳しい試合の様子などは、写真にて…是非ご覧下さい。
あまりに枚数が多くなってしまったので、前編と後編に分けました。
それでも結構重いですが…ご了承下さい(^^;

写真(前編)
写真(後編)

日本国内の全国大会は、すでに10年くらい前から毎年開催されていますが、世界大会は今回が初めて。
参加チームは日本、アメリカ、韓国、台湾の4チームで、総当りのリーグ戦。
盗塁・バントは禁止、脚の不自由な選手が打席に立った場合は他の選手が代わりに走塁をする「特別代走」…など、独特のルールのもとで試合が行なわれました。

僕も以前から、かなり興味を持っていたのですが、あることで懸念もしていたんです。
というのは、各チームの守備力に差があれば、大量点差で勝敗が決してしまうのではないか?という…
この不安が的中し、1日目(4日)に日本と対戦した韓国、台湾は守備の乱れから大量失点を喫してしまいましたが、その内訳は、隻腕の選手がゴロを処理してもグラブ→ボールのチェンジがスムーズに行なわれないと送球が遅れて内野安打になってしまう、フライを捕ろうと落下点に入っても確実に両手捕球が出来ないためにエラーになってしまう…といった類のもの。
あと、脚の不自由な選手が外野を守っている場合は、打球の行方を追うだけで精一杯で、間を抜かれるとほとんどランニング本塁打になっていました。
ラッキーゾーンも設けていない両翼99.1M、中堅122Mのグラウンドは、彼らにとってとてつもなく広く、負担も大きいのではないかな…と思わずにはいられませんでした。

――しかし、プレーをしている選手達の、ハツラツとした表情を見ると、そんなのは大したコトでもないか…とも思えましたね。
生まれつき、あるいは事故や病気によって、腕を損傷してしまった人、脚を大怪我して歩行すらも困難になってしまった人…様々なハンディキャップを背負いながらも、健常者と同じ広いグラウンドで野球が出来る喜び。
それを思えば、試合の勝敗なんかは二の次でしょうね(^^)

観客にもそれは充分すぎるほど伝わっていて、彼らのプレーひとつ一つに温かい拍手。
地元の高校生をメインに私設応援団も結成されていましたが、最初は日本を応援していた彼らも、点差が開くと「ゴーゴー、テーハミング!」「チャイニーズタイペイ、オー、タイペイ!」の掛け声。それに合わせて、周りの観客も手拍子。
試合後、爽やかな笑顔で客席からの拍手や声に応える選手達の晴れやかな表情が、たまらなく良かった!

一方で、素晴らしいプレーも随所に出ました。
グラブで打球を処理→素早く健手に持ち替えて送球という高等テクニックは、健常者の野球ではお目にかかれない。
難しい打球をダイビング好捕して倒れこみながら送球、捕球してそのままグラブトスで一塁に送球など、プロ顔負けのファインプレーも!
また、アメリカのエースであるアンソニー・デルギーダイス投手は、隻腕ながらMAX140km/hの剛速球が武器との触れ込み…ひゃ、140km/h!?そんな速いタマ、健常者でもなかなか打てないよ!
こりゃ、彼が投げる試合は全て奪三振ショーで、下手すりゃノーヒットノーラン…デルギーダイスのワンマンショーになるんじゃないの!?とか思ってましたが、なかなかどうして、対戦した台湾、日本の打者は大振りせずにミートに心がけてヒットを連ね、じっくりと選球して四球を誘ったり、うまく攻略してました。

結果だけを見ると、どの試合も点差が開いてしまい、全試合がコールドゲームになってしまったんですが、見どころは満載で、観ていて目頭が熱くなる…本当に素晴らしい大会でした!
今回は記念すべき第1回大会で、4ヶ国の参加でしたが、今後は参加チームも増やし、ますます充実した大会となって、存続して欲しいと思います。

障害者の「生きがい」…これを活かせる場は失くしてはならないですよね。

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